オールインワンタイプのフィラリア予防薬「ネクスガードスペクトラ」（超大型犬用30～60kg未満）

◆特徴を調べてみた

• 1錠で、犬のフィラリア・お腹の中の虫、ノミ・マダニの駆虫と予防が可能
• 月に1度、１錠を定期的に与えるのみの簡単予防
• 投薬直後のシャンプーも可能

◆効果・効能を調べてみた

ネクスガードスペクトラ超大型犬用は、30～60㎏の超大型犬用のオールインワンタイプのフィラリア予防薬です。月に1度投与することでフィラリアとノミ・マダニ、さらには消化管内寄生虫の駆除もできる非常に使い勝手の良い薬になります。フィラリア（犬糸状虫）は、蚊に刺されることで犬に感染してしまう寄生虫です。フィラリアの幼虫に感染した蚊が犬をさすと、吸血の際に犬の体内にフィラリアの幼虫が入り込みます。

フィラリアの幼虫は犬の体内に入ると、体の中を移動しながら成長します。犬に感染してから2か月以内に、フィラリアは成虫になり心臓や肺動脈に棲み付きます。フィラリアの幼虫は目に見えないくらい小さいですが、成虫は長さ20㎝くらいと非常に長く、そうめんのような外見をした寄生虫です。その虫が数匹から数十匹血管内に寄生するため、フィラリアに感染すると心臓や肺動脈にダメージが加わってしまいます。

その結果、フィラリア症の症状として、咳や運動不耐性（動くとすぐに疲れてしまう）、腹水やむくみなどが現れ、最終的に心不全で死亡してしまうことが多いです。また、フィラリア症は急に血尿を出して突然死してしまうこともある怖い病気です。ネクスガードスペクトラに含まれるミルベマイシンオキシムは、フィラリアの幼虫の神経や筋肉細胞に作用し、麻痺させることで駆除します。

ただし、本剤にはフィラリア成虫を駆除する効果はありませんので、フィラリアが成虫に成長する前に本剤を飲ませる必要があります。ミルベマイシンオキシムは、フィラリアだけでなく消化管内寄生虫もフィラリアと同じような機序で駆除することができます。

本剤はお腹に住む寄生虫のうち、回虫・鉤虫・鞭虫に対して駆除効果を持っています。また、ネクスガードスペクトラにはアフォキソラネルという成分が含まれており、この成分がノミやマダニの駆除および予防効果を持っています。本剤投与後、ノミは6時間、マダニは24時間以内に駆除が完了すると言われています。ノミやマダニに対する予防効果は約1か月持続します。

◆有効成分を調べてみた

◆用法と用量を調べてみた

ネクスガードスペクトラは、フィラリアの幼虫が成虫に成長するまでの間に飲ませることでフィラリアの予防を行う薬ですので、フィラリアの予防期間の間、1か月に1回本剤を飲ませてください。フィラリアの予防時期は、お住まいの地域によって違いますが、通常5～12月のうちの6～8カ月間になります。投薬時期については動物病院で聞くようにしてください。本剤は嗜好性の高いチュアブル製剤ですので、そのままおやつ感覚で与えることができます。

少し大きすぎる場合には、砕いてフードの上に混ぜてもらっても構いませんが、食べ残しがあると効果が不確実になりますので、必ず全量食べたことを確認してください。ノミ・マダニの予防のためにも、フィラリアの予防期間と同じ時期に本剤を投与することが多いですが、ノミやマダニには冬場にも感染してしまうことがあります。

特に、草むらに入ることが多い犬の場合には、冬場も予防しておいた方が無難かもしれません。本剤を飲ませて数時間以内に吐いてしまった場合には、薬の効果が無く、再投与が必要になることもあります。ただし、再投与を行うことで、薬効成分の過剰投与になってしまうこともありますので、再投与の是非については動物病院で相談するようにしてください。

◆日本での価格を調べてみた

ネクスガードスペクトラ超大型犬用は、日本で手に入れるためには動物病院で処方してもらう必要があります。

動物病院で処方してもらう場合は、診察を受けて血液検査によるフィラリア感染の有無のチェックが必要になります。

そのため、本剤を手に入れるのにかかるコストとしては、

・診察料　～1,000円
・フィラリア検査料　1,000～2,000円
・ネクスガードスペクトラ超大型犬用　3,600～4,600円（1粒あたり）
　がかかります。

動物病院で検査をして1シーズン分（8回分）を処方してもらうと30,000円～40,000円かかることが多いです。

◆副作用を調べてみた

• ネクスガードスペクトラの成分であるミルベマイシンオキシムとアフォキソネラルは、犬を含めた哺乳動物には毒性が低く、副作用の少ない薬になります。
• 報告されている副作用は、食欲不振や嘔吐・下痢などの消化器症状があります。また、歩様の異常やけいれんなど神経系の副作用や、皮膚のかゆみなどのアレルギー症状も見られることもあると言われています。
• 本剤を投与して副作用と思われる体調不良が出た場合には、投与を中止して動物病院を受診するようにしましょう。

◆使用禁忌を調べてみた

• ネクスガードスペクトラをフィラリア陽性犬に投与した場合、ショックを含めた重大な副作用が起こる可能性があり、場合によっては死亡してしまうこともあります。必ず、フィラリアに感染していないことを確かめて投与するようにしてください。
• コリーやシェルティなどの犬種では、本剤の副作用が出やすいと言われています。投与量などを守っていれば安全に投与できる薬ですが、これらの犬種では用法用量をしっかり守るようにしてください。
• また、ネクスガードスペクトラ超大型犬用は30～60kgの超大型犬用のフィラリア予防薬です。30kg未満の犬には、その体重に合った薬を飲ませるようにしてください。60kg以上の犬を飼っている場合には、投与量について動物病院で相談するようにしてください。

◆レビューについてを調べてみた

◆さらに詳しいレビュー情報

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