世界中で有名な抗原虫・抗菌薬「チニダゾール500mg」
◆特徴/効果を調べてみた
チニダゾール500mgは世界中で有名な抗原虫・抗菌薬です。主にトリコモナスによる性感染症治療に多く使用されています。トリコモナスを死滅させ、感染症を短期間で根治します。
◆有効成分/用法と用量を調べてみた
チニダゾール500mgはインドの大手製薬会社ザイダス・ヘルスケア社から販売されている抗原虫・抗菌薬で、主に抗トリコモナス薬として世界中で多くの使用されています。
古くからある薬ですが、現在でもトリコモナス症治療において多く選ばれる大人気の特効薬です。
トリコモナスとは原虫という単細胞生物の一種で、トリコモナスに感染すると様々な身体症状が現れます。
トリコモナス感染症の中で最も多く見られるのは膣・膀胱・尿道・前立腺にトリコモナスが寄生する性感染症です。
男性と女性で特徴が異なるので、以下にまとめてあります。
女性のトリコモナス感染症
膣炎のような症状が現れるため、トリコモナス膣炎と呼ばれます。
トリコモナス膣炎の主な症状は以下のような症状です。
悪臭を伴う泡状の黄色いおりものの増加
外陰・膣の刺激感
排尿時の不快感
強い痒み
膣壁発赤(膣の炎症)
男性のトリコモナス感染症
尿道・陰茎包皮・前立腺・精巣などにトリコモナスは寄生しますが、自覚症状はほとんどありません。排尿時にトリコモナスが排出されることもあります。
尿道の分泌物や炎症が非感染者に比べると多く、尿道炎のような症状が現れます。
チニダゾールはトリコモナス原虫を死滅させてトリコモナス感染症を完治させることが可能です。
また、トリコモナス感染症だけでなく嫌気性菌などの細菌性による腟炎などの炎症にも有効だと言われています。
トリコモナスの感染ルートは主に性行為で、オーラルセックスでも十分感染します。
また、同居家族間でタオルや便器などからの接触感染も稀に報告されています。
トリコモナスの潜伏期間は個人差がありますがおよそ3日~2週間です。
トリコモナスは性行為による感染力が強いため、自覚症状がなくてもパートナーが感染していれば両者とも同時に治療する必要があります。
◆
チニダゾールは感染源の微生物の中で還元されてニトロソ化合物に変化し、強力な抗原虫・抗菌作用を発揮します。
また、この還元反応の途中でフリーラジカル(細胞を損傷させる活性酸素)が生成され、微生物のDNAの二重鎖を切断して機能障害を起こさせ微生物の分裂増殖を抑制します。
チニダゾールは殺虫的に作用するため根治治療が可能です。
チニダゾールは一般的な抗生物質とは全く異なる作用機序で原虫や細菌を駆除します。
国内にはトリコモナス以外の適応はありませんが、赤痢アメーバ・ディフィシル菌による感染性腸炎・ランブル鞭毛虫(ジアルジア)・毛包虫(ニキビダニ)・胃腸疾患の原因菌であるヘリコバクターピロリ菌などにも有効だと言われています。
トリコモナスを治療せずに放置すると女性は卵管まで侵食され不妊症になる恐れがあります。男性は自覚症状が少ないために潜在感染者としてトリコモナスを周囲にばらまいてしまう恐れがあります。そのため早急な治療が必須です。
どちらかにでも感染が判明したら、パートナーと共にすぐに治療開始して下さい。
日本のクリニックなどで手に入れる場合
国内の医療機関でもチニダゾールは抗トリコモナス薬としてよく処方されています。
チニダゾール錠500mg「F」の薬価は1錠あたり122.7円なので、1回分すなわち2000mg(4錠)処方してもらう場合の薬代は490円です。
ここに診察料、処方料、トリコモナス検査料、調剤料などの受診費用が加わると総額ではおよそ10,000円前後になるかと思われますが、保険適用があると3割負担で3,000円前後となります。
100錠分だと薬代だけで12,270円になるのでかなりの高額ですが、国内の医療機関では一般的に必要最低限の用量しか処方してもらえません
◆副作用を調べてみた
- チニダゾールの副作用は少ないですが、吐き気・下痢・腹痛などの胃腸症状、頭痛、倦怠感、発疹などが報告されています。
- 尿が着色することがありますが薬の作用によるものなので心配いりません。
- 重大な副作用は滅多に起こりませんが、同系統の抗原虫・抗菌薬であるメトロニダゾール(商品名フラジール)の服用で末梢神経障害や中枢神経障害、皮膚粘膜障害、血液障害、大腸炎などが稀に報告されているので念のため注意してください。
- チニダゾール服用後に何らかの明らかな身体の異常が現れた際はすぐに医療機関を受診してください。
◆使用禁忌を調べてみた
- 有効成分チニダゾールでアレルギーや副作用が現れたことがある
- 血液疾患
- 脳や脊髄の器質的疾患
- 妊娠3ヶ月以内もしくは妊娠の可能性
上記に該当する方はチニダゾールの服用を控えてください。
乳汁中に有効成分が移行するため、授乳中の方は授乳しないでください。
肝障害、腎障害、てんかんやけいれん発作を起こしやすい方、高齢者の方はチニダゾールの服用に慎重な注意が必要です。必ず医師に相談の上で服用を検討してください。
併用禁忌薬は特にありませんが、何らかの薬を服用している方はチニダゾールの服用を開始する前に医師か薬剤師に伝えてください。
チニダゾール服用中は禁酒してください。チニダゾールにはアルコールの分解を妨げる作用があるため、飲酒するとアルコールがいつもより身体に滞留して顔面紅潮、嘔吐、腹痛、頭痛、動悸など悪酔いの症状が現れやすくなります。
チニダゾールの服用が終了した後も少なくとも3日間は飲酒を控えるようにしましょう。
◆さらに詳しいレビュー情報
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